2013年02月22日

八十八重姫(やそやえひめ)八丈島

八十八重姫(やそやえひめ)

 大国主命(おおくにぬし)の子供の事代主命(ことしろぬしのみこと)は、自分たちが治めていた出雲の国(しまねけん)を、天照大神の子孫にゆずり、自分は一族の者と妃八人をつれて東海の伊豆三宅島に渡った。
 ある日のこと、事代主命は三宅島の雄山(おやま)山頂に妃八人をつれて登りました。東海の空はくっきりと晴れあがり、海に浮かんでいる島々が、手にとるように見えました。
 
 北に向かってもっとも近く見えるのは、神集島(こうずしま[神津島])。
つぎに新島(にいじま)、十島(としま[利島])、大島の順に並んでいました。
南の方には御蔵島(みくらじま)、沖ノ島(おきのしま[はちじょうじま])が浮かんでいました。
 
 事代主命は海中の島々を指さしながら、八人の妃に向かって言いました。
「この島々を、お身たちに治めてもらうために、それぞれ島渡りをしてもらわねばならぬ。それで最初に南の島から決めたいと思うが、沖ノ島(おきのしま[はちじょうじま])にだれか希望するものはおじゃらぬか。」

 沖ノ島は遠く離れていて、鬼でも住んでいるような無気味な島でありました。妃たちは思わず顔を見合わせました。
 そのとき、妃の中でもいちばん年若の、八十八重姫が、「命、わたしが沖ノ島へ参りましょう」と申し出ました。
「おお、八十八重! お身が沖ノ島へ行ってたもうるか、よろしく頼むぞ!」と事代主命は喜んで言いました。

 さて夜どおし海上を走りつづけた八十八重姫の小舟が、沖ノ島へと着きました。しかし、島の周囲は大きな岩が並び立っており、舟を着ける場所がありません。
その時、八十八重姫は「神よ舟着き場をあたえたまえ」と、祈りました。
するとたちまち目の前が明るくったかと思うと、舟を入れる湾になりました。

 八十八重姫は無事に沖ノ島へたどり着いた事を、三宅島にいる事代主命に知らせたいと思いました。
 八十八重姫は心の中で、「大地よ山となれ・・・・。」と念じました。今度はたちまち、足の下が盛り上がって東山(ひがしやま[三原山])となりました。
山の上から北の三宅島をながめると、雄山の上には事代主命が立っていて、こちらを心配そうにながめているのが見えました。
 「命!無事に沖ノ島へと着き申した。」と、叫びながら、八十八重姫が手を振りました。
すると三宅島の事代主命もやっと安心して、盛んに手をふるのが見えました。
八十八重姫はこのとき懐妊していたので島で古宝丸(こほうまる)を産みました。
その後、親子が力を合わせて、島づくりに精を出しました。
八十八重姫と古宝丸の二人は、大賀郷(おおかごう)の大里(おおさと)に祀られています、優婆夷(うばい)、宝明(ほうめい)の神さまであります。


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優婆夷宝明神社
八丈島
今夜は優婆夷宝明神社のお祭りです(八丈島観光協会さんのblog)
八十八重姫と古宝丸
八丈島の郷社のお祭り★優婆夷宝明神社例祭2012(八丈島のおいしい暮らしさん)
参考書籍 日本の民話5
     ※参考図書を元に、引用、文章を書いています。
posted by ひよこ at 22:10| 日本神話 | 更新情報をチェックする