2014年02月28日

神と人が出会う場所 ( 神社本庁 しおりより )

神と人が出会う場所
 ~ 日本人の心のふるさと 鎮守の森 ~

凡そ、春の時、祭田の日には、郷の老者を集めて、一たび郷飲酒礼を行へ、人をして長を尊び老を養ふ道を知らしめよ、其れ酒肴等の物は、公廨を出して供せよ。
 『養老儀制令 春時祭田条』


◎ 神と人とをつなぐ場所
 鎮守の森の奥に鎮まる社殿では祭りが行われ、様々な芸能が奉納されます。 人々は神々とともにそれを楽しみ、神々の力を身に受けてきたのです。
 祭りにはお年寄りから子供たちまで、みんなが集まり、力を合わせて神輿を担ぎます。 祭りが終わればご馳走をいただき、酒を飲みながら夜遅くまで語り合います。 この光景は古くから変わることなく現代に受け継がれています。 祭りの場で、子供たちは大人から生きる術や知識を教わってきたのです。
 私たちは鎮守の森に集い、団結し合い、生活や生産、信仰や芸能など文化伝統を次世代へとつなげてきたのです。
 鎮守の森は、私たち日本人のこころを次の世代へと引き継ぐための、大切な媒(なかだち)=仲立ちの場所なのです。

◎ 神と人とが出会う場所
 鎮守の森は、生活空間の近くにある聖なる空間です。 そして四季折々の祭りの場であるとともに、神々の世界と人間社会との、媒(なかだち)=仲立ちの場ともなっています。
 聖と俗をつなぐ媒(なかだち)=仲立ちの役割は、いろいろな物事が果たしています。 例えば芸能です。神楽、雅楽、能・狂言、歌舞伎・・・。 古来芸能は神々に捧げ、神々の世界へ働きかけるものでした。 芸能は、神と人間の世界をつなぐコミュニケーション手段、つまり媒(なかだち)=仲立ちの役割をしてきたのです。
 神楽の期限は天岩屋戸(あめのいわやと)の神話に求められます。 八百万(やおよろず)の神々は、岩やに隠れてしまわれた天照大御神(あまてらすおおみかみ)に再びお出ましいただこうと、天宇受売命(あめのうずめのみこと)の舞が媒(なかだち)=仲立ちとなって天照大御神の御心が岩戸の外へと向かい、岩戸は開かれたのです。
 神楽は、神と人とが出会うための、大切な手段なのです。

◎ 人と人とをつなぐ場所
 日本は豊かな自然に恵まれています。 私たちの先祖は、自然に逆らうことなく、その力を受け止め、自然に順応するため、知識を積み重ねることに努めてきました。 自然に従い、自然に学び、そして自然と共存することを学んできたのです。
 そうした学びの歴史の中で、信仰や生活文化は鎮守の森を中心に継承されてきました。 鎮守の森は、大いなる自然と私たちを繋ぎ、地域コミュニティーの中心となって人々の絆を深める場所となり、また過去と未来の世代を繋ぐ媒(なかだち)=仲立ちとしての場となっています。
 私たちの心を豊かに育む鎮守の森を、これからも大切に守り伝えてゆかねばなりません。

神社本庁 しおりより掲載

posted by ひよこ at 16:29| 神社庁 しおり | 更新情報をチェックする